不動産営業マンの査定価格が高騰しています。でも、本当にその価格で売れるのでしょうか?今日は不動産営業マンの査定の裏側をお教えします。

営業マンはどうやって査定するか?

 実は殆どの営業マンが、「売主さんの顔色」と「競合他社の存在」を見て査定します。不動産営業マンが査定に利用するデータは、ほぼ同じデータです。ですので、本来であれば、査定結果はどの営業マンもそれほど違いはないはずです。ところが、それでも査定結果が異なるのは、

 「もっと高い価格でないと、この売主さんには納得してもらえないだろうな」
 「もっと高い価格でないと他社に負けてしまうかもしれない」

という営業マンの「感」が含まれているからです。そして、この絶妙な「感」を持っている営業マンが、なぜか不動産会社では優秀な営業マンと呼ばれています。

 とは言え、その「感」を加味した価格は、あくまで「売主さんの顔色」や「競合他社の存在」を見た結果であって、実際の市場における成約価格とはズレていることも多いです。そうしますと、

 「査定では高かったのに、どんどん価格が下がっていく」

といった状況になってしまい、「全く売れない」という結果になります。
最近、私が経験したことでも、他社さんの営業マンが「らくだ不動産さんがその価格なら、私は100万円、いや200万円高くします!」と提案していました。

その査定価格が妥当(本気)かどうか、どうやって見抜く?

 私も今まで多くの不動産を相場より高く査定し、実際に高くご売却してきましたが、それは明確な根拠と売り切る方法を持っていたからです。売主さんに聞いたところ、前述の他社さん営業マンの「200万円高くします!」には根拠と方法は何もなかったようです。最終的には「気合いで」ということで。それでは高く売ることは不可能に近いです。

 査定価格が相場より高くなるその根拠と方法があるかどうか、売主さんはまずはそこを確認する必要があると思います。特に一番のポイントは、「高く売る方法があるかどうか」です。ここをしっかりお伝えできなければ、提案した価格はいわゆる「感」から来たもので、市場価格とはかけ離れた価格(売れない価格)とも言えます。よくある「お客さんがいますから・・・」というのも実はあまり期待できません(同様のチラシも一緒です)。

 「どうやってこの価格で売るんですか?具体的な方法を教えてください」

とはっきり聞きましょう。「他社はこうでしたけど、御社は?」という聞き方は、他社の方法を否定すれば自社の正当化ができますので、実は営業マンにとっては一番回答しやすいです。他社は関係なく御社は?というスタンスの方が営業マンの本音を聞き出せます。

 気持ちを前面に出される営業マンもおりますし、AI技術が普及しましても、まだまだ人と人との取引である不動産売買には、その気持ちや熱意は大事です。ただ、それだけでは高く売ることは出来ない時代にもなってきていますので、その熱意だけに流されないよう、査定価格が高くなる市場的根拠や論理的な売却方法を確認するようにしましょう。